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悲しき軽運送屋の顛末記-21 [顛末記]

地元に戻った初日、朝5:00に起きてしまった。そう、空港に行くときの起床時間だ。慣れと言うのは恐ろしい。今日からはまた、自宅待機…なんだか気持ちが暗くなる。と、今までと同じ話の繰り返しでは面白みがない(本当は色々あるのだがそれは後で)。


★Photoはイメージです

今回は主題とは離れるが車(商売道具)の話をしたいと思う。
毎日の仕事に携わる手足なので全ての軽メーカーの車種を乗り比べてみた。運転席のスペースや着座姿勢、取り回し、装備などだ。

私の軽1Boxは「スズキエブリ4WDターボ」。運送に使うには贅沢なのかもしれないが、顛末記の中盤で述べたようにメリットは限りない。実際、スズキの商業用には「キャリー」と言う車種があるが、長時間の運転や視認性(運転席が高いため、視界がよい)・走行性、そうしてとどめは安全性が格段に違う。これは仲間の会員の商業車に乗って実感した。4駆はパートタイムと言う今で言えば当たり前のもの。ジープタイプとは違いフルタイムで四つの車輪を回しているわけではない。いずれかのタイヤがスリップした時に姿勢を補正するように駆動を助けるのだ。雪ばかりではなく、豪雨の中や泥道にも有効である。
ターボも運転に余裕が出る。67PS(馬力)と軽自動車の上限は決まっている、本当の潜在能力はこれ以上と考えられるがスポーツタイプの軽も横並び、が、「ヒューン』と言う軽快な音と共に後ろから押されるような加速感は、これを選んで後悔をしなかった。速さばかりを追求するのではなく、追い越し加速とか高速道路上、重い物を積んでの他車との流れに乗るための安全性、精神的な安心感は車両価格に替え難い物がある。
実際はシートもリクライニングする。が、荷物を載せるためには後ろのスペースを確保しなければならないので全席シートの後ろに境のバーを取り付けた(純正で取り付け可能になっている)。なので待機中はシートを倒して休むと言うわけにはいかない。助手席に足を伸ばして座る形でドアにもたれかかる体勢だ。足回りは重量オーバーのため負けていたと言わざるを得ない(トラックではないのでコイルスプリング)が、空荷で帰るときには軽すぎで暴れる…なんて評論家みたいなことを言っても面白くないか。

当時はエアコンが標準装備でない。あるのはラジオくらい。が、結局は後付にせよ会員皆が装備したことを考えれば欠かせない。労働の環境は出来るだけ快適なほうが良いに決まっている。特に夏は。

パワースウィンドウも考えたのだが、車内がスィッチの厚みだけ狭くなるのと、万が一故障した場合深刻になる。たとえば高速道路の料金所などで窓が開かなくなったら、逆に雨の中で閉まらなくなったら、その修理のための時間と修理費などの危険要素をはらませておくことは避けたかった。4駆だのターボなどと言っておきながら理不尽な話だが、あくまでも快適と安全のバランスは考えたいものだ。尚、パワーステアリングは私の車の場合、エンジンが荷室の下にあったため操作が軽く必要なかった。

結論としては、もしこれからこの商売を考えている方は少し奮発してもグレードの高いものを選ぶことをお勧めする(車種が決まっている軽運送会社もあるが)。中にはアルミホイールを履き、テレビアンテナ(ダイバーシティ)まで装備してワゴンタイプの黒ナンバーもあったが外見で変化をつけると趣味で運送をしていると思われるので気をつけたほうが良い。

車検は初回3年目が普通であるが、走行距離が多い営業ナンバーは2年目である。その間にも、当時は定期点検が6ヶ月・12ヶ月・18ヶ月とある。やらない輩も会員の中にはいたが、実施しなければ結局は車検時にしわ寄せが来る。自分の安全のためにもマメに受けておいたほうが安心である。費用は走行距離に比例すると思ったほうが良い。ブレーキ関係も、タイヤの減りも運転状況にも寄るが距離が多いほど消耗も激しいのは当たり前である。軽自動車だからと言って点検箇所は普通車と同じだし、部品点数も同じなので作業費用はさほど変わらない。唯一、非常に安いのは税金、乗用車タイプの黄色ナンバーよりまだ安い。現在も同じなのかが分からないので値段までは記さない。概算で8万から12万と言うことか。これはディーラーに入れての話。自分で出来れば格安になるが、安心料なのだからプロに任せるのが得策。くれぐれも私はディーラーの回し者ではない。

もう一つ気をつけるのは前にも書いたが、傷や凹みの修理である。自分の自尊心のための補修ではなく、商品をいかに丁寧に運んでいるかと言うお客の見る目が重要なのだ。板金修理は安くはないが
設備投資の一環と考えたい。幸い私の場合は外装のダメージを受けたことがなかった(非常に危なかったことはあったが「前述」)ので大きな補修はなかったが…走行しているだけで傷が付くことはある。これは軽運送と限られるわけではなく、自家用の普通車でも同じで、他車の特に大型車からのタイヤで拾った石が飛んでくる。ダンプカーの積載している土砂が走行風によってボティにパラパラと当たる。細かい塗装が剥がれる傷が結構付いているのだ。一年に一度くらいはタッチアップペイントくらいしておかないと、その部分から水分が入り込み内側から錆び、悪くすると腐ってくる。


★私の所有している車です。いえいえ実車(本物)をです。

塗装色の話をしよう。私の車はホワイトだった。あまり特殊な色は「らしくない」と敬遠される恐れがある。が、この白と言う色はなんとも悩ましい。日本人の一番の人気色だそうだが、以前は規制無しのディーゼル車の排気の黒煙粒子や道路からのタールやがやたらに目立つ。仕事が忙しく、掃除をサボっているとその「黒」が車体に染み込んで洗剤やタールを取る溶剤でも取れなくなる。一度雨が降ると茶色くなる…と言ったデメリットもある。現実に乗っている方には分かっていただけるだろう。
我が家の自家用車は濃紺と赤である。この濃い車も考えものだ。汚れは目立たないが、雨が降ると今度は白い斑点の跡が付く。こすり傷は下地が出てやはり白が目立つ。とどめはワックスがけの時の拭き傷で光によっては細かいつや消しの線が幾重にも付いてしまう。
では何色がいいんだ?
私の体験ではメタリックしかもシルバーがこのデメリットを隠してくれるし、運送屋にもフィットする色ではないだろうか。若い頃にブルーメタリックの車に乗っていたが、掃除のやりがいは無い代わりに雨の後などでも光っているだけ手間はかからない。
ただし、大きな傷をつけた場合はメタリックが一番色合わせが難しい、塗装の値段も高いことは知っておくべきだ。
どれも一長一短である。色に関しては覚悟を決めて自分の好みで選ぶしかない。


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